ラテラルシンキングとは?ロジカルシンキングとの違いを理解してビジネスに生かす

ラテラルシンキングでイノベーションを生み出す ビジネススキル
ラテラルシンキング zensala

近年は新たな商品やサービスのニーズが生まれ、ビジネスにおいても従来の枠にとらわれない、クリエイティブな発想を生む必要性が増してきました。

また、デジタル化の進展も目を見張るものがあり、社会の変化についていくため、そして、想定外のトラブルや問題が発生しても適切に対処するためには、常に固定観念や論理的ではない最適なアイデアを考え続けることも必要とされています。

そんな現代社会を生き抜くビジネスマンに、「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」である、ラテラルシンキングという概念をご紹介します。

ラテラルシンキングを活用すると、斬新でユニークなアイデアや発想を生み出しやすくなるのです。

ラテラルシンキングの意味

ラテラルシンキングは、「横の」「側面の」を意味するラテラル(Lateral)と「思考」を意味するシンキング(Thinking)が組み合わさった言葉で、日本語では「水平思考」と訳されます。

ラテラルシンキングとは、思考の制約となる既成概念や固定観念を取り払い、水平方向に発想を広げる思考法のことを表します。

つまり、ラテラルシンキングとは「どんな前提条件にも支配されない自由な思考法」であり「水平方向に発想を広げる」という意味合いからラテラル(=水平)という言葉が使われています。

ラテラルシンキングの提唱者

ラテラルシンキングはマルタ共和国の医師、エドワード・デボノ氏により提唱されました。

デボノ氏は従来の論理的思考や分析的思考を「垂直思考」と位置づけて、論理を深めることに適しているが斬新な発想にはつながりにくいとしました。

これに対し、多角的な視点から物事を検証し、既存の概念にとらわれない発想を「水平思考」と位置づけて、ラテラルシンキングによる発想方法を提唱したのです。

ラテラルシンキングの例

ラテラルシンキングは既成概念や既存の常識を疑うことから始まります。
ここでは身近な課題とその解決方法を例にとり、固定概念にとらわれない発想が如何に大切か実感していただきたいと思います。皆さんも一緒に考えてみてください。

例題①
交通事故の多い、見通しの悪い山道のカーブ。交通事故を減らすために、どのような方法が考えられますか?

一般的な回答
・カーブミラーを設置する(増やす)
・事故注意の道路標識を立てる
・速度制限を設ける

ラテラルシンキングによる回答
・道路のセンターライン表示を消してしまうことで、ドライバーに「危ない」という危機意識を持たせる。

解説
注意書きや交通ルールによる制約で、ドライバーの意識を外から変えようというのは固定概念にとらわれた一般的な回答です。一方、ロジカルシンキングではドライバーの意識を内面から、自発的に変えようとする発想の転換が見られます。

例題②
3人の子供に5つのオレンジを「正確に」均等に分けるにはどうするか?

一般的な回答
・それぞれに1つと2/3のミカンを配る

ラテラルシンキングによる回答
・5つのオレンジをジュースにして3つのグラスに分ける

解説
オレンジを分ける際にその形を維持した(固形物の)まま分けようと考えるのは固定概念にとらわれた回答です。液体に形状を変えることで均等に分けることが可能だと気づいた点に発想の転換が見られます。

例題③
テーマパークで人気のアイスクリーム店では、食べた後のカップやスプーンを芝の上などに捨てるゲストが多くて困っていた。どうすればゴミを減らせるか?

一般的な回答
・ゴミ箱の数を増やす
・ゴミ捨て禁止の看板を立てる

ラテラルシンキングによる回答
・食べられるカップ(コーン)に入れたアイスを販売する

解説
ゴミの投げ捨てが問題になったときに、ゴミの投げ捨てを減らす方法を考えるのは固定概念にとらわれた発想。ゴミ自体が100%発生しない販売方法を考えた点に発想の転換がみられます。

ラテラルシンキングとロジカルシンキングの違い

ロジカルシンキング(論理的思考)の思考プロセスは「前提」→「推論」→「結論」という筋道をたどります。

つまり、まずは「A」という前提を置き、その後「AだからB」「BだからC」という推論をたどった結果「結論はCである」という答えに辿り着くわけです。

このようにロジカルシンキングは、前提を決めた上でそこから深掘りしていく思考法のため、「垂直思考」とも呼ばれます。

ロジカルシンキング zensala
ロジカルシンキング(垂直思考) zensala

一方、ラテラルシンキングは「前提」を疑い、前提そのものの可能性を広げていく思考法であるため「水平思考」と呼ばれます。

ラテラルシンキングでは前提やルールに囚われず、さまざまな視点からの自由な発想をすることで問題解決を図ります。

したがって、だれもが同じ結論に達することはなく、また正しい答えも一つとは限らないのです。

ロジカルシンキングとラテラルシンキング zensala
ロジカルシンキングとラテラルシンキング zensala

さらに、ラテラルシンキングとロジカルシンキングは、うまく組み合わせることができれば「より広く」「深い」発想ができるようになります。

なぜならラテラルシンキングとロジカルシンキングは、対立する思考法ではなく相互補完的な思考法だからです。

一つの課題に対して前例にとらわれず、様々な前提条件を検証したうえで、推論することで、従来型の垂直思考のみの場合と異なり、多面的に問題にアプローチして、結論を導き出すことができるようになります。

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの組み合わせ zensala
ロジカルシンキングとラテラルシンキングの組み合わせ zensala

イノベーションを生み出す

ラテラルシンキングが注目されるようになった背景として、特にビジネスの現場において、変則的な問題・課題を解決する必要が出てきたことが挙げられます。

ロジカルシンキングは、正しく考えさえすればだれもが同じ結論に達するように考える方法です。

しかし、その結論は画一的になりがちで、日々変化するビジネス環境のように、答えが一つとは限らないケースでは対応できないことがあります。

それに対してラテラルシンキングは、独創的な発想やこれまでになかったアイディアを導き出すために有効な方法です。

そのため、人とは違った商品を違った方法で扱う必要があるビジネス環境においては必要な思考法となります。

商品開発や技術開発の分野では、イノベーションを生み出すことが重要だということがよくいわれます。

特に変化のスピードが増している現代のビジネスシーンでは、他社にはない独自の強みや差別化要因を確立することが、生き残るために必須といえるでしょう。

ラテラルシンキングでイノベーションを生み出す
ラテラルシンキングでイノベーションを生み出す

まとめ

人間はこれまでやってきた方法を盲目的に続けようとしがちです。そのため思考の幅が狭くなり、固定観念に囚われてしまうようになります。

その結果、これまでと同じような商品アイデアや技術プランしか出てこないというケースは、多くの企業が経験していることです。

そんなとき、ラテラルシンキングによって思考の前提を取り払い、まったく新しい視点から課題に取り組むことによってイノベーションが生まれやすくなります。

まったく新しい視点から課題を捉えなおしてみることで、従来の価値観や既成概念に囚われない着想が得やすくなるのです。

タイトルとURLをコピーしました