「マインドセット」は組織成長のカギ ー成果を出すための5つのポイント

マインドセットで成果を上げる5つのポイント チームマネジメント

「マインドセット」という言葉はビジネスシーンでよく聞かれるようになりましたが、この言葉は何を表しているのでしょうか。
今回は、ビジネスだけではなく人生の成功をも大きく左右するマインドセットについて、詳しく解説していきたいと思います。

マインドセットとは

マインドセット(mindset)とは、自身の習性として根付いた物の見方や考え方で、
あなたがこれまでに受けてきた教育や、育った環境、経験、時代背景や先入観などから、長年の間にあなたの心の中に固定された「思考様式」や「心理態度」といえます。

つまり平たく言い換えるならば「考え方の癖」のようなものですが、自分の能力に自信を持っている方や年配者ほど、マインドセットを切り替えるのは厄介なことといえるでしょう。

「マインドセット(mindset)」とは、

自身の習性として根付いた物の見方や考え方で、経験、教育、先入観などから形成される思考様式、心理状態。 思い込み(パラダイム)、価値観、信念などがこれに含まれる。

スタンフォード大学の心理学者キャロル・S・ドゥエック(Carol Dweck)による「思考や行動の個人差」についての研究の中から、この概念が生み出された。

マインドセットの2つの定義

心理学において「マインドセット」には、良い影響を与える「グロース・マインドセット」とあまり良くない影響を与える「フィックスト・マインドセット」の2つが定義されています。

グロース・マインドセット(=成長型マインドセット)

growth(グロース)は「成長」「発展」を意味する英語で、このマインドセットを持つ人は、向上心を持ち、粘り強く努力を続けることのできる性質です。

たとえ失敗したとしても、それを糧にして立ち直る、ポジティブなマインドセットです。

フィックスト・マインドセット(=停滞型マインドセット)

fixed(フィックスト)は「固定する」「据え付ける」を意味する英語で、このマインドセットを持つ人は、「人の能力は固定的で努力しても変わらない」という考え方を抱きがちです。

周囲からの評価を非常に気にする傾向にあり、批判や失敗を恐れて挑戦をしなくなります。

マインドセットで成果に大きな差が出る!

キャロル・S・ドゥエック教授の研究

スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック(Carol Dweck)は、小学生を対象に何が成功を左右するのかを研究していましたが、そこで彼女はあることに気づきました。
なぞなぞや難しい問題に直面した時に成果を上げる子どもたちと、成果が出にくい子供たち、それぞれのグループの共通点を見出したのです。

まず、なぞなぞや難しい問題が得意な子どもたちは、解けない問題に直面したとき、自分は失敗しているとは考えず学んでいると考えて、楽しみながら問題にチャレンジし、課題をクリアしていました。
一方成果が出ないグループの子どもたちは、難しい問題をみると、自分には無理だと考えて、すぐにあきらめてしまうのです。

言い換えれば、成長型マインドセットでは、人はチャレンジし、失敗をより大きな学習プロセスの一部と考えて挑戦しようとする姿勢を示しますが、一方、停滞型マインドセットでは、チャレンジせず、失敗は避けべきこという思考が働きます。つまり一つの事柄に向かうのでも、物事への考え方や感じ方次第で、取り組み姿勢だけでなくその結果にも大きな差が出るのです。

ドゥエックらは数十年にわたる研究で、成長型マインドセットを持つことは、学校だけではなく、職場でも成功をもたらすことを研究しました。

マインドセットを改善する、5つのポイント

それでは、停滞型マインドセットを持つ人が成長型マインドセットに変わるためには、どのようなことをすればよいのでしょうか。
具体的に5つの方法をご紹介します。

① 自分のマインドセットを理解する

マインドセットには2種類があることを理解したら、自分のマインドセットがどちら寄りの傾向であるかを自覚しましょう。
多くの人は成長型マインドセットと停滞型マインドセットの両方持っていますが、自分の不得意な分野において停滞型マインドセットとなっている場合が多いものです。
たとえばビジネスの場面では、ついついネガティブな判断をしてチャレンジを避けてしまう場面、判断を先送りしてしまう場面があった場合、どのようなケースかを洗い出してみましょう。
これは自分の不得意分野と向き合う内省の作業であるため難しいことではありますが、少しずつ分析し自分のマインドセットの傾向と弱点を自覚し、自分の成長を阻害する悪しき思考様式を理解しておくことが大切です。

② すぐに行動することを習慣づける

停滞型マインドセットの方はどうしても問題を先送りにする傾向があります。
しかしビジネスにおいては相手を待たせない、すぐに行動を起こすことはとても重要です。そのような行動様式が身についている人は周りも放っておかないはずです。
難しい課題や苦手分野に直面しても、難しいなぁとかいやだなぁなどとあれこれ悩み考えたりするよりも、すぐに行動に移したり誰かに相談したほうが、案外すんなり解決方法が見つかったりするものです。
停滞型マインドセットから成長型マインドセットへと変えたい場合、何事もすぐに行動に移すことを意識しましょう。
そしてそれを当たり前のこととして、あなたの「習慣」にしてしまうことが大切です。

「人は習慣によってつくられる。優れた結果は一時的な行動ではなく、習慣から生まれる」

アリストテレス

③目標を明確にする

ただ漫然と日々を過ごしていても、成長はありません。目標を持つことが大切ですが、頭で理解していても、なかなか行動に移せない人が多いものです。
しかし停滞型マインドセットを切り替えることは、あなたの悪しき心理態度を崩すことでもあります。

そのために有効な手段。それは具体的な目標を設定することです。しかも、それはうんと高い目標が良いでしょう。
そして目標を設定したら、余計な迷いは捨てて自分の力を信じ、ひたすらその目標を達成するための方法を考え続けるのです。

努力すれば達成できそうな目標を設定すると、ひとはそこへ到達するために、どうしても成果を刻んでしまいがちです。
しかし思い切り高い目標を設定すれば、それに向かっているうちにいつの間にか当初の目標は軽々とクリアしてしまうものです。

「見える限りのところまで進むのだ。到着すれば、さらに遠くが見渡せる。」

トーマス・カーライル(歴史家)

④ 人間関係を振り返ってみる

ひとは周囲の環境や人間関係の影響を多分に受けるものです。これはマインドセットについてもあてはまります。
停滞型マインドセットが強い人は同じような思考を持つ人とばかり付き合いをしていないか考えてみてください。
案外当たっているものです。
もしそうだとしたら、いっそのこと、うまくいかないのもその周りのせいにしてしまいましょう。
そして、少しずつでも成長型マインドセットを持つ人と関わりを持つよう努力してみましょう。

「あなたの周りの5人の平均があなたである」

ジムローン(アメリカの有名な起業家)

成長型マインドセットを持つ人をみつけたらその行動様式を真似てみることが大切です。
自分もその人と同じように振る舞い思考するように意識してみましょう。
つまりその人の良いところを真似して、その人になったつもりで思考し、行動し、発言するのです。

あなたの人生の主役はあなた自身。あなたの人生はあなたのために用意されたステージと考えれば、主役であるあなたはどんな役割だって演じることができるでしょう。
成長型マインドセットを持つ人を演じ続けることで、あなた自身も次第にその人と同じ行動や発言が身についてきます。
また、そのような行動を続けることで周囲の人も次第にあなたのことを、ポジティブで良い影響を与えてくれる、組織にとって重要な人物であると認識するようになります。
そのような周囲の期待に応えるよう、さらにあなた自身も成長することでしょう。

自ら一歩を踏み出し行動を変えてみることで、あなたもあなたの周囲も、成長型マインドセットへと変化していくかもしれません。

⑤ インプットとアウトプットを意識する

マインドセットを変えるには、読書によるインプットを促すことは大変有効です。

最初は自分の好きなジャンルの本からで構わないので、時間を決めて読書に取り組みましょう。
興味があればマインドセットについての専門書を読むことも有効でしょう。

読書によって、これまで知らなかった知見を得て新たな知識を獲得したり、成功者の通ってきた成功への道筋を追体験することで経験の幅を広げ、あなたの中に新しい価値観や思考手段を構築することができるからです。
それによりあなたの良くない固定概念を打ち崩すことが可能になります。

さらに読書によって得た新たな知識や発見を手帳などにメモし、アウトプットする習慣をつけるとなお良いでしょう。そしてそのメモを何度も何度も繰り返し見返して、常に意識してください。

何度も繰り返してメモを見ることによって新たな知識を脳に定着させ、また成功者の体験がまるで自分自身の経験であるかのように脳に意識させるのです。

「読書は、他人が辛苦して成し遂げたことを、容易に自分に取り入れて自己改善する最良の方法である」

ソクラテス

ビジネス・リーダーに求められるマインドセット

プラスの影響を持つ成長マインドセットは、個人だけではなく組織や企業の成長のためにも大切な思考手段です。
成長型マインドセットを意識するようになると、意欲的な行動を促すことができ、ビジネスにおいてはスピード感を持った成長と目標達成が可能となります。

ビジネス現場においては、リーダーの「マインドセット」は、チーム全体に伝わり、チームの生産性にも大変大きな影響を与えます。
そのため、ビジネス・リーダーは優れたマインドセット持つことが極めて重要となります。

リーダーのマインドセットは、自身のためだけではなく組織のためにも大きな意味を持つ

成長型マインドセットを持つリーダーは、ポジティブな空気をチーム内に伝播し、意見を言いやすい空気をつくります。
常に前向きに挑戦する環境で部下を育て、課題解決力の高い人材へと育成を促してくれることでしょう。

また優れたリーダーを目指すあなたは、部下のマインドセットに注意し、停滞型マインドセットの部下に対してはそのネガティブな思考様式を指摘するだけではなく、部下が自発的に改善するような声掛けや指導を行うように心がけましょう。

そのためには、以下のことを心がけるとよいでしょう。

部下のマインドセットを高めるTIPS

● 成果や能力を評価するのではなく、部下の努力を評価する。
● 小さな成功体験を積み重ねさせる。

まとめ

すべての人が成長型マインドセットと停滞型マインドセットの両方を持っています。少しの工夫でマインドセットは変えることが可能ですが、そのためにはまず、自分のマインドセットがどのような状態であるかを理解したうえで、改善するための取り組みをすることが大切です。

成長マインドセットを持つことはあなた自身の成長におおきく貢献するものとなります。

さらにあなたが経営者や人事担当の方なら、自社のマインドセットを見つめ直したり、研修に取り入れてみたりすることをオススメします。

ぜひマインドセットについて理解を深め、個人や組織の成長につなげてください。 

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