7つの質問でアイディアを生み出す、SCAMPER法

7つの質問でアイディアを生むSCAMPER法 ビジネススキル

ビジネスの成功において最も大切なものは、新しいアイディアです。

しかし新しいアイディアを生み出すことは、たやすいことではありません。

そこでこの記事では新しいアイディアを生み出す際に有効なフレームワークである、SCAMPER法についてご紹介します。

SCAMPER法とは

アイディアの発想にはいくつかの典型的パターンがあり、パターンに沿った質問によってアイディアを生み出そうというのがSCAMPER法の考え方です。

SCANPERは、7つの質問の頭文字から成り立っています。

SCAMPER法のメリットは、短時間で多くのアイディアを生み出すことができること。

フレームワークは使いこなすのが難しいこともありますが、SCAMPER法は7つの質問に答えるだけで、短時間で多くのアイディアを発想することができるため、使い勝手がよく、ビジネスシーンだけではなく、研究開発部門などでも活用されています。

SCAMPER法の7つの質問

それでは具体的に、SCAMPER法で使用する7つの質問と、そこから発想されるアイディアの具体例を見てみましょう。

SCAMPER法で使う7つの質問
SCAMPER法で使う7つの質問 zensala

1.Substitute(入れ替える)

別のものや方法に置き換えたらどうなるのかを考えます。

・プロセスや手順を置き換えるとどうなるか
・人、場所、方法、時間を置き換えるとどうなるか
・材料や成分を置き換えるとどうなるか
・形を変えたらどうなるか
・名前を変えたらどうなるか
・音・触感・色・香り・味を置き換えるとどうなるか

具体例
ハリウッド映画を日本で公開する際に、タイトルを直訳するのではなく、日本人になじみやすくわかりやすいものに置き換えたらヒットしたなどというのは良く聞かれます。

たかがタイトルでも、そこから受ける印象は、受け取る側の習慣や文化的背景に大きく影響されることもあります。

2.Combine(組み合わせる)

既存のアイディアでも、2つ以上を組み合わせて新しいアイデアとなることがあります。

・複数のサービス、製品を組み合わせるとどうなるか
・目的や方法を組み合わせるとどうなるか
・ある部分だけを組み合わせたらどうなるか
・一部の機能を統合するとどうなるか

具体例
いまや当たり前のツールとなったスマートフォンですが、ほんの十数年前は世の中に存在しませんでした。

スマートフォンは携帯電話とパソコンを組み合わせるところから生まれたと言われますが、それ以外にもカメラやGPS、ほかにも様々なソフトウェアを搭載することで、世界中の人々の生活さえも一変させる、画期的な製品となりました。

3.Adapt(当てはめる、応用する)

もともとあるアイデアを、別の分野に応用することで、新しいアイデアを生み出すことがあります。

・既存のサービスで、ほかの使い方ができないか
・過去の成功事例をべつの製品や分野に応用できないか
・他の業界のアイデアを当てはめるとどうなるか

具体例
日本発で今や世界中に愛されている「回転寿司」ですが、最近では回転しゃぶしゃぶや回転焼肉も増えてきています。

ひとり外食が一般的になってきた最近では、コロナ禍の一時的落ち込みはあったものの、日本人のみならず外国人にも好評と聞きます。お客が実際の商品を見て選ぶことができる、現物を見るとついついお代わりを選びたくなる、人材不足の昨今接客コストを抑えることができるなど、双方メリットが多くまだまだ応用範囲は増える可能性があります。

4.Modify(修正する、変更する)

製品やサービスを修正あるいは変更することで、新しいアイデアの発想につなげることができます。

・製品を大きく、小さくしたらどうか
・製品を長く、短くしたらどうか
・動作を早く、遅くしたらどうか
・機能を強く、弱くしたらどうか
・重さを変えてみたらどうか

具体例
一定以上の年齢の方には懐かしいですが、ソニーのウォークマンが誕生したのは、音楽を手軽に屋外に持ち運びたいという欲求から。
それまでも小型のカセットテープレコーダーはありましたが、従来製品を極限まで小さく改良する代わりに録音機能やラジオ機能は排除し、スタイリッシュに屋外で音楽を聴くことに的を絞った製品コンセプトが大ヒットし、若者の新たなラフスタイルを創造するきっかけとなりました。

5.Put to other uses(他の目的に転用する)

製品やサービスを、これまでとは別の目的や使用方法で利用しようとすることです。

・ほかのユーザー、ターゲットに提供するとどうなるか
・使用目的や使用方法を変えるとどうなるか
・業界を変えるとどうなるか

具体例
以前、テレビゲームは子どもが遊ぶものでしたが、脳トレブームや大人の鑑賞に堪えうるストーリー展開、画像クオリティの向上などにより、今では大人がテレビゲームをするのは、すっかり当たり前になりました。

6.Eliminate or minify(削ぎ落とす、または縮小する)

機能などを削除、削減することで新しいアイデアを生み出そうと考えることです。

・プロセスや過程を簡略化できないか
・機能やサービスを最小限にできないか
・見た目やデザインをシンプルにできないか
・不要なものを取り除くことはできないか

具体例
家具の配送や組み立てサービスを極限まで簡略化する一方で、自社製品のショールームを充実させて客に家具を置いた部屋のイメージを喚起して購買意欲を高める、北欧発祥の家具販売店の販売方式は有名です。

店舗内で顧客は、買いたい商品の番号をメモしておき、最後に組み立て家具の倉庫からピックアップするという流れになっています。

7.Reverse or Rearrange(並べ替える、または再構成する)

順番を逆にしたり、並べ替えることで新しい発想を生み出す質問です。

・プロセスや順序を入れ替えるとどうなるか
・原因と結果を逆にしてみるとどうか
・レイアウトやパターンを変えてみたらどうか
・表面と裏面を入れ替えてみるとどうか
・一部を交換するとどうか
・弱みを強みに転換してみるとどうか

具体例
板前が目の前で握ってくれる寿司は高級であると思いがちですが、最近では立ち食い寿司が都内にも増え、老舗寿司屋の参入も進んでいます。

仕入れる食材も職人の腕も高級店に引けを取りませんが、省スペースと回転率の高さから安価に提供することができ、多くの客に受け入れられつつあります。

付箋がたくさん張られたコルクボード

SCAMPER法を使用する際の注意点

SCAMPER法は短い時間で多くのアイディアを創出する際に、特に効果的な手法と言えます。

SCAMPER法を使用する際には、あらかじめ時間の制約を設け、短時間で多くのアイディアを出すようにしましょう。

アイディア出しで大切なことは質よりまずは量であると言えます。

その時は、非現実的である、つまらないと思われるアイディアでもじっくり吟味すると意外と斬新で他がまねのできないものだったりすることもあります。

アイディアの評価は後で構いませんので、複数人でとにかく様々なアイディアを持ち寄れば、そこから新しいビジネスの種(シーズ)が見つかるかもしれませんよ。

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