中堅ビジネスマンの差がつく心得、自社の収益構造を理解していますか

収益構造を理解することは中堅ビジネスマンにとって重要 チームマネジメント

中間管理職として日夜業務に邁進する皆さん、「収益構造」と言う言葉をご存知でしょうか?

具体的に企業が、どこにお金をかけて、どのような手段で、いくらの利益を上げているのかという企業の収支の枠組みを表す言葉で、経営状況を把握し改善策を検討するうえで大切なものです。

サラリーマンの立場では、このような視点から企業の経営について思いを巡らせる機会が少ないと思いますが、自分の会社の収益構造について考え、理解することは、経営マインドを醸成する上でもとても大切です。

部下を持ち、チームをマネジメントする立場になったら、半期に一度は、自社の収益構造について考える機会を持ちましょう。

会社の利益とは

会社の利益

会社の儲け、つまり利益は次のとおりに計算します。

「会社の利益」「売り上げ」 - 「コスト」

しかし中小企業であればこのような大雑把な理解でもよいですが、大企業のビジネスマンにとって、これでは自分の業務が会社の収益にどれほど影響があるか、自分事として実感をもって理解することは難しいでしょう。

自分の業務との関係性の中で収益構造を把握しないと意味がありませんので、そんな場合は、もう少しブレイクダウンして考えてみるべきです。

大企業では事業部制などを取っていますが、部門単位で考えても同じことです。

「部門利益」「部門売り上げ」「部門コスト」

メーカーなどで特定の製品開発販売企画に関わっている人は、これを製品ごとに捉えても構いません。

「製品利益」「製品の売り上げ」「製品のコスト」

このように、自分の(自分のチームの)日々の業務がどのように会社(部門)の収益にかかわり、自分の(自分のチームの)業務改善がどのように会社(部門)の収益アップにつながるのか、身近に感じられるレベルまでブレイクダウンし、数字で理解することが大切なのです。

なお実際には、上記の計算ではじき出した「利益」から、販売にかかった費用、管理費、銀行の受取利息や借入金返済利息、法人税等々を加減して、企業の「当期利益」が算出されます。

これが最終的な企業の利益としてみなされるわけです。

利益率とは

利益率とは

「売り上げ」に占める「利益」の割合を「利益率」といいます。

「利益率」 = 「利益」 ÷「売上」 × 100

そして会社が儲かるためには、この「利益率」を上げることが重要になるわけです。

仮に売上高が増えても、それ以上に仕入原価や販売にかかるコストが増えれば、会社の利益率は上がりません。

利益率を上げるためには、売り上げと、コストの両者を考えなければならないわけです。

コーヒーを例に、考えてみましょう。

世界でもっとも有名な某ハンバーガーショップのように、徹底して他社より安い価格でそこそこおいしい商品を販売する戦略と、西海岸発祥の有名コーヒーチェーンのように良質の豆でおいしいコーヒーを提供しつつ、さらに店舗の立地や装飾にこだわり顧客が得られるプレミア感までを含めた高級路線を打ち出す場合では、その営業戦略は全く異なります。

さらにコンビニコーヒーのように、従来無かった新たなサービス提供方法を生み出すことにより、マーケットの潜在的ニーズを掘り起こし、マーケット自体を広げてしまうといった戦略もあります。

同じコーヒーを販売するのでもそれぞれで、売り上げ(単価×販売数)やコスト(材料、機械、店舗、人件費、広告費)に対する考え方は全く異なるのです。

次に家電製品を例に、考えてみましょう。

これまでにない全く新しい家電品を生み出しヒットしたとしても、そのための研究開発に膨大な時間がかかり製造に必要な設備投資が大きかった場合、商品がヒットするまでに投じたコストは大きく、さらに回収に要する期間も数年単位の期間が必要となります。このような手法は体力のある企業でなければなかなか取り組むことは難しいでしょう。一方、既存製品のマイナーチェンジでそこそこの数を売り上げることができれば、投じたコストも少なく、かつ回収に要した時間は数か月と短く済みます。

両者を比較すると、製品単体での収益は前者の方が大きくなるかもしれません。一方、後者は収益も大きくないかもしれませんが投入したコストは小さく、リスクの少ない経営戦略といえます。それに先行投資したコストを早く回収できれば、次の開発や設備投資に回す資金が早く準備でき、機動性の高い経営戦略ともいえます。

この例では時間に対する考え方が、いかに経営上大切なものであるかお分かりいただけると思います。

収益構造を理解するのは、企業経営を線や面でとらえること

収益構造を理解することは、企業経営を線で追いかけること

以上の例からわかるように、企業の収益構造を理解するということは、売り上げ、コストだけではなく、「時間」という要素を頭にいれて数字を読むことであり、企業の利益を点ではなく線で追いかけるという意味なのです。

さらに言うと、

■大きなマーケットで競合他社に負けないクオリティで勝負するのか?
■競争相手のいないブルーオーシャンへ乗り出すのか?
■顧客ターゲットはどこに絞り、どのような広報戦略を立てるのか?
■そのための広告費はどの程度用意するか?
■初期投資費用はいくらかけ回収期間はどうなるか?
■1、3、5年後にマーケットでどのようなポジションを獲得したいか?

これらを考えることは、点を線に、そして線を面に広げていく発想といえるでしょう。

このような発想は大企業にいても、中小企業あるいは家族経営の個人商店にいても必ず必要な考え方です。ただ単に上が決めたこと、以前からやっていることに従い漫然と過ごすのではなく、一人ひとりがこのような経営マインドを持ち業務に取り組むチーム、会社は間違いなく強い組織といえるでしょう。

私たち一サラリーマンが、このように自社の収益構造に思いを巡らせ理解しようと努めることは、中長期的スパンで「会社経営を考える力を養う」ためにとても役立つことなのです。

コストについて

コストについて考える

なおコストを下げることは、企業の利益率を高めるために大切であることはだれでも理解できると思います。

売り上げが横ばいだったとしても、材料の仕入れを工夫したり、製造ラインを見直すことでコストを下げ、それによって利益率を上げることが可能になるからです。

そのため経営者であれば、様々な面からコストの削減を考え、企業の利益を最大化することを考えるのは、当然です。

そしてコストカットの中でも、その取り組みの効果が直ぐに現れるのが、実は人件費の削減なのです。

しかし経営者や経営陣にとって、いきなり今いる従業員の給与を下げることは現実的にはかなり難しいことです。中には強権を発動し、給与カットを断行する経営者の方もいるでしょうがそれは一部といえるでしょう。多くの場合、従業員の猛烈な反対に合うため、避けたがるわけです。

そこで早期退職という名の黒字リストラが、昨今、多くの企業で取られてきました。

長く続いたアベノミクス下で日本企業の経営状況はかなり改善されました。しかし多くの企業はバブル後の苦い経験から、給与アップという形での社員へ還元することを渋りつつ内部留保を蓄え、さらには早期退職制度の導入により人件費の削減に力を入れてきたわけです。

「憧れの第二の人生」という甘い幻想に誘われた、ミドル世代の中間管理職が多数、現場を離れていきました。その中には人生の楽園を手に入れた方もいるでしょうが、一方で退職をしてみたものの、その後の人生がうまくいかず、苦労をされている方も少なくないと思います。

これまで会社一筋で頑張ってきたサラリーマンが、いきなり何の準備もなく180°逆の世界に取り組んでも、みんながみんなうまくいくとは限りません。中には成功する人もいるでしょうがそのような人は会社員時代に、やはりそれなりに努力と準備をしてきた人たちでしょう。

さらにコロナ禍の影響もあり、これからの世界経済は先行きが大変不透明です。

これからの時代のビジネスマンは、やはり必要なビジネススキルと経営マインドをしっかりと身に着けて、できるだけ長く企業に勤め続けることが賢い処世術なのかもしれません。

会社の5年後、自分の5年後

会社の5年後、自分の5年後

ところで皆さん、

サラリーマンとしてのご自身の5年後に、どのような未来予想図を描いていらっしゃいますか?

早期退職という体のいい黒字リストラにのっかり、第二の人生を謳歌する賭け?に出るか、

辞めさせられる(定年)まで、若手や後輩とともに現場で気持ちよく働き続けるために、いまからビジネススキルアップに取り組むか?

ブラックな職場で虫の息っていうのは避けたいですね。

いずれにしても、万一大きな選択をせざるを得ない状況になったときに、選択肢を複数持っていることは大切で、安心なことだと思いませんか。

選ばれる立場ではなく、サラリーマンであっても自分の人生は自分で選ぶ立場にいたいものです。

そのために、今できる準備を着々と始めませんか。

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